沖縄で改葬許可申請をするには?必要書類と役所手続きの流れ

沖縄で墓じまいやお墓の移転を考え始めると、「まず墓石業者へ相談すればよいのか」「先に役所へ行くのか」「新しい納骨先を決めるのが先なのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

お墓に納められているご遺骨を別のお墓や納骨堂などへ移す場合は、原則として「改葬許可」が必要です。

ここで大切なのは、墓石を撤去することと、ご遺骨を移すための改葬手続きは別だという点です。

沖縄には、家族墓だけでなく門中墓、亀甲墓、破風墓、古くから使われている個人墓など、さまざまなお墓があります。墓地の管理者がはっきりしていなかったり、複数の親族が関係していたりすると、一般的な手順だけでは進めにくいこともあります。

この記事では、沖縄で改葬するときの申請先、必要書類、役所手続きの順番、門中墓や古い個人墓で確認しておきたいことまで、実際に動きやすい順番で解説します。

目次

そもそも「改葬」とは?墓じまいとは別の手続き

改葬とは、すでにお墓に埋葬されている遺体や、墓地・納骨堂に納められている焼骨を、別の墳墓や納骨堂へ移すことをいいます。

「墓地、埋葬等に関する法律」では、改葬を行う場合、市町村長の許可を受けなければならないと定めています。

一方、墓じまいは一般的に、墓石などを撤去し、その場所を整理・返還するところまで含めた言葉として使われています。

つまり、

用語内容
改葬ご遺骨を現在の墓地・納骨堂から別の墓地・納骨堂へ移す
墓じまいご遺骨を取り出し、墓石などを撤去して墓地を整理する
分骨ご遺骨の一部だけを別の墓地などへ移す
永代供養寺院・霊園などに継続的な供養・管理を任せる方法

墓じまいを行うからといって、必ず同じ方法で改葬するわけではありません。

新しい家族墓へ移す方もいれば、永代供養墓や納骨堂を選ぶ方もいます。

そのため、「古いお墓を撤去すること」より先に、「ご遺骨をこれからどこで供養するのか」を考えることが大切です。

沖縄の改葬許可申請は「現在ご遺骨がある市町村」で行う

改葬許可の申請先で、特に間違えやすいのがここです。

申請するのは、新しい納骨先がある市町村ではありません。

墓地埋葬法では、改葬の許可は現在、遺体や焼骨が存在している場所の市町村長が行うと定められています。

たとえば、

現在のお墓新しい納骨先改葬許可の申請先
那覇市沖縄市那覇市
沖縄市県外の納骨堂沖縄市
石垣市那覇市の永代供養墓石垣市
名護市名護市内の別のお墓名護市

となります。

県外に住んでいる方が沖縄のお墓を墓じまいする場合も、現在のお墓が沖縄にあるのであれば、基本的にはそのお墓が所在する市町村で手続きをします。

市町村によって窓口も必要書類も違う

「沖縄県で一つの改葬申請をする」という仕組みではありません。

市町村によって、

申請する部署、必要書類、手数料、郵送対応の有無などが異なります。

たとえば那覇市では、那覇市内にご遺骨がある場合に那覇市へ申請し、改葬許可証の交付手数料は無料です。郵送申請にも対応しています。

一方、石垣市では改葬許可申請に1名につき200円の手数料が設定され、戸籍謄本や改葬先の墓地使用許可証または受入証明書なども求めています。

そのため、インターネットの記事に書かれている必要書類をそのまま集めるのではなく、現在のお墓がある自治体の最新案内を確認することが重要です。

沖縄で改葬するなら、墓石を撤去する前に新しい供養先を考える

「もう誰もお墓を管理できないから、先に墓を壊してしまおう」

と考える方もいるかもしれません。

しかし、改葬を伴う墓じまいでは、撤去工事を最初に進めるのはおすすめできません。

改葬許可申請書には「改葬の場所」を記載することが定められているため、基本的にはご遺骨の移転先を決めてから申請を進めます。

新しい供養先にはいくつかの選択肢がある

改葬先として考えられるのは、新しい家族墓だけではありません。

永代供養墓、納骨堂、合祀墓なども選択肢になります。

どれが正しいというものではなく、

「今後誰がお参りするのか」

「子どもの世代にも管理をお願いするのか」

「沖縄にお墓を残したいのか」

「県外からでもお参りしやすい場所がよいのか」

まで考えて選ぶと、改葬後に再び管理問題が起きにくくなります。

特に永代供養や合祀を検討する場合は、納骨後にご遺骨を個別に取り出せる期間や条件についても、契約前に確認しておきましょう。

沖縄で改葬許可を取るまでの基本的な流れ

自治体によって必要書類は異なりますが、改葬全体は次の順番で考えると整理しやすくなります。

手順確認すること
1現在のお墓とご遺骨の状況を確認する
2親族・墓地使用者・管理者を確認する
3新しい供養先を決める
4自治体の必要書類を確認する
5改葬許可を申請する
6許可後にご遺骨を取り出して移す
7必要であれば墓石を撤去し墓地を整理する

1.現在のお墓とご遺骨の状況を確認する

最初に確認したいのは、「誰のご遺骨が何柱あるのか」です。

長年使われてきたお墓では、家族が把握している人数と実際に納められているご遺骨の数が一致しないこともあります。

石垣市も、改葬時に想定より多くのご遺骨が見つかる場合があるとして、事前の確認を案内しています。

特に古い門中墓や親族墓では、

故人の氏名、死亡年月日、骨壺の表示、誰のご遺骨か分からないものがないか

を可能な範囲で確認しておきましょう。

ただし、お墓を開けての確認が必要な場合は、家族だけで無理に行わず、墓地管理者や改葬を扱う事業者などへ相談してください。

2.誰がお墓を管理しているのか確認する

次に確認するのが、現在の墓地使用者や管理者です。

墓地埋葬法施行規則では、改葬の申請者が墓地使用者などと異なる場合、原則として墓地使用者などの承諾書が必要とされています。

那覇市でも、申請者と現在ご遺骨を埋蔵している墓地等の使用者が異なる場合は、墓地使用者や親族代表者などの承諾を求めています。

そのため、親族だから自由にご遺骨を動かせるとは限りません。

特に門中墓では、

「墓の名義は誰なのか」

「誰が管理しているのか」

「今回移すご遺骨は誰に関係するのか」

を早めに整理しておくことが大切です。

3.新しい供養先を決める

次に、改葬後の納骨先を決めます。

新しいお墓を建てるのか、永代供養にするのか、納骨堂を利用するのかなどを検討します。

自治体によっては、改葬申請の際に新しい墓地の使用許可証や受入証明書を求められます。

ただし、受入証明書が全国一律で必須というわけではありません。

墓地埋葬法施行規則では、申請書に改葬先を記載することは求めていますが、自治体が必要と認める追加書類には差があります。

たとえば石垣市では改葬先の墓地使用許可証または受入証明書を求めていますが、那覇市の現在の案内では同じ書類構成ではありません。

4.自治体へ必要書類を確認する

申請書を書き始める前に、現在のお墓がある自治体のホームページまたは担当窓口を確認します。

国のルールとして基本になるのは、

書類・情報内容
改葬許可申請書故人、現在の埋葬場所、改葬理由、改葬先、申請者などを記載
埋蔵・収蔵等の証明現在の墓地・納骨堂管理者などが証明
墓地使用者等の承諾申請者と墓地使用者等が異なる場合
その他自治体が必要とする書類

です。

ここへ戸籍、本人確認書類、改葬先の受入証明、委任状などが加わる場合があります。

5.現在のお墓がある市町村へ申請する

必要書類がそろったら、自治体へ改葬許可申請を行います。

申請方法は窓口だけとは限りません。

たとえば那覇市は本庁で郵送申請を受け付けており、石垣市も必要書類・手数料・返信用封筒などを同封する郵送申請を案内しています。

県外在住で沖縄へ何度も帰省することが難しい方は、郵送や代理申請ができるかを先に確認すると負担を減らせます。

6.改葬許可証の交付後にご遺骨を移す

改葬許可証が出たら、現在の墓地管理者、新しい納骨先、必要であれば墓石業者などと日程を調整します。

法律上、新しい墓地や納骨堂の管理者は、改葬許可証を受理しなければ焼骨を埋蔵・収蔵させることができません。

そのため、改葬許可証は「役所でもらえば終わり」の書類ではなく、新しい納骨先で必要になる大切な書類です。

紛失しないよう保管してください。

7.墓じまいする場合は墓地の整理まで確認する

ご遺骨を移したあと、現在のお墓を今後使わないのであれば、墓石の撤去や墓地の返還などを行います。

ここでも自治体や墓地によって手続きが異なります。

たとえば石垣市では、改葬後に墓地を使用しない場合、改葬とは別に「墓地の廃止許可申請」が必要と案内しています。

そのため、

「改葬許可を取った=墓地に関するすべての手続きが終了した」

とは限りません。

個人墓なのか、霊園なのか、寺院墓地なのかによっても違うため、墓石撤去前に確認しましょう。

那覇市と石垣市でも改葬の必要書類は違う

沖縄県内でも自治体による違いがあります。

具体例を見ると分かりやすいでしょう。

那覇市の場合

那覇市では、現在ご遺骨が那覇市内にある場合、主に改葬許可申請書、現在ご遺骨が埋蔵・収蔵されていることを証明する書類、必要に応じた墓地使用者等の承諾、本人確認書類などを案内しています。

個人のお墓の場合は、お墓の場所を示す地図を求めています。

交付手数料は無料です。

石垣市の場合

石垣市では、改葬する方の死亡年月日を確認できる戸籍、申請者との続柄を確認できる戸籍、埋蔵証明書、改葬先の墓地使用許可証または受入証明書などを求めています。

また、改葬許可申請は1名につき200円です。

このように同じ「沖縄の改葬」でも必要書類は同じではありません。

お墓の所在地が分かった時点で、その自治体の最新ページを見る。

これが書類の取り直しを減らす一番確実な方法です。

古い個人墓で「墓地管理者が分からない」ときはどうする?

沖縄では、霊園や寺院ではなく、先祖代々の土地などに古い個人墓が残っているケースがあります。

こうした場合、

「管理事務所がない」

「埋蔵証明書を書いてくれる人が分からない」

という問題が起きます。

墓地埋葬法施行規則では、通常は墓地などの管理者が作成した埋蔵・収蔵の事実を証明する書類を添付することになっています。

ただし、それが難しい特別な事情がある場合、市町村長が必要と認める代わりの書類を用いることができるとされています。

実際に那覇市では、個人のお墓にご遺骨を安置している場合、お墓の場所を示す地図を提出する方法を案内しています。

古い個人墓だから改葬できない、と決めつける必要はありません。

まずはお墓がある自治体へ、

「個人墓で管理者がいない」

「埋蔵証明書を出してもらえる人が分からない」

と事情を説明して確認しましょう。

門中墓を改葬するときは「役所より前」の話し合いが重要

沖縄で改葬が難しくなりやすいのが門中墓です。

門中墓は、複数の家族や親族が長年一緒に使用している場合があります。

そのため、自分の親や祖父母のご遺骨が入っているからといって、自分一人で墓全体の整理まで決められるとは限りません。

まず確認したいのは、

誰が墓地使用者・管理者なのか、どの親族が利用しているのか、今回移すのは誰のご遺骨なのか、墓そのものを残すのか撤去するのか

という点です。

特に、

「自分の家族のご遺骨だけを移す話」と「門中墓そのものを墓じまいする話」は分けて考えること

が重要です。

前者と後者では、関係する人の範囲が大きく変わります。

親族間で意見が分かれている状態で工事や遺骨の移動を先に進めると、後から元に戻せなくなる可能性があります。

改葬と「分骨」は同じ手続きではない

「遺骨の一部だけを県外のお墓へ移したい」という場合もあります。

これは全部のご遺骨を移す改葬とは異なり、「分骨」として扱われます。

墓地埋葬法施行規則では、分骨をする場合、現在の墓地等の管理者が埋蔵・収蔵の事実を証する書類を交付する仕組みが定められています。

那覇市も、分骨については改葬許可は必要ないと案内しています。

「一部だけ移したい」のか、「現在のお墓から全部移したい」のかで手続きが変わるため、最初に整理してください。

火葬後ずっと自宅に置いていた遺骨を納骨する場合は?

これも改葬と混同しやすいケースです。

改葬は、すでに墓地や納骨堂へ埋蔵・収蔵されているご遺骨などを、別の墓地等へ移す手続きです。

那覇市では、火葬後に一時的に自宅でご遺骨を保管し、その後初めて埋蔵・収蔵先が決まった場合について、改葬許可は必要ないと案内しています。

ただし、実際に納骨するときに必要な書類については、受け入れる墓地・納骨堂へ確認してください。

沖縄の改葬で閉眼供養・魂抜きは必ず必要?

墓じまいについて調べると、「閉眼供養」「魂抜き」などの言葉も出てきます。

これらは改葬許可とは別の話です。

改葬許可は法律に基づく行政手続きですが、閉眼供養などの考え方は宗派、寺院、地域、家庭によって異なります。

そのため、

「閉眼供養をしなければ改葬許可が下りない」わけではありません。

一方で、長年家族が手を合わせてきたお墓である以上、遺骨を取り出す前に供養を行いたいと考える家庭もあります。

菩提寺や付き合いのある寺院がある場合は事前に相談し、特定の寺院との付き合いがない場合は、墓じまいの相談先へ供養方法も含めて確認するとよいでしょう。

改葬費用は「行政手続き」だけでは判断できない

現行記事では改葬費用を一律の相場としてまとめていましたが、実際の総額は条件によって大きく変わります。

行政への申請費用だけを見ると、那覇市は無料、石垣市は1名につき200円といった違いがあります。

しかし、墓じまい全体では、

新しい納骨先、ご遺骨の取り出し、墓石撤去、重機の搬入、供養、ご遺骨の洗浄や再火葬など

が必要になる場合があります。

特に沖縄の亀甲墓や破風墓、門中墓などは、大きさや構造、道路からの距離、重機が入れるかどうかによって工事内容が大きく変わります。

そのため「沖縄の墓じまいは○万円」と一律の金額だけを見るより、現地を確認したうえで、何が見積もりに含まれているかを比較することが重要です。

沖縄の改葬許可申請でよくある質問

改葬許可はどこの役所へ出しますか?

現在ご遺骨が納められている場所を管轄する市町村へ申請します。

新しい納骨先がある自治体ではありません。

受入証明書は必ず必要ですか?

全国一律で同じ書類が必須というわけではありません。

改葬先を申請書へ記載する必要はありますが、受入証明書や墓地使用許可証を添付するかどうかは自治体によって異なります。

現在のお墓がある自治体へ確認してください。

改葬先が決まっていなくても申請できますか?

改葬許可申請書には「改葬の場所」を記載することが定められています。

そのため、基本的には先に新しい供養先を決めてから申請します。

改葬許可証が出るまで何日かかりますか?

自治体や申請内容によって異なります。

「全国一律で数日」「必ず1週間以内」と決まっているわけではありません。

石垣市では当日申請・当日交付はできないと案内しているため、墓を開ける日や納骨日を先に確定しすぎず、余裕を持って申請しましょう。

県外からでも申請できますか?

自治体によっては郵送申請が可能です。

那覇市や石垣市では郵送による申請方法が案内されています。必要書類や委任状の扱いは自治体ごとに確認してください。

故人の本籍や生年月日などが分からない場合は?

古いお墓では、すべての情報を確認できない場合があります。

那覇市では、死亡者の本籍や住所について、可能な限り記入したうえで、どうしても分からない場合は「不詳」と記入するよう案内しています。

分からない情報があるからといって自己判断で申請を諦めず、まず自治体へ相談しましょう。

沖縄の改葬は「工事」より先に、遺骨と手続きを整理する

沖縄で墓じまいを考え始めたら、最初に墓石撤去の見積もりを取ることだけがスタートではありません。

まず確認したいのは、

誰のご遺骨があるのか、誰が現在のお墓を管理しているのか、どこへご遺骨を移すのか、どの自治体へ改葬許可を申請するのか

という4点です。

ここが整理できれば、必要書類、親族との調整、納骨先、墓石撤去の順番も見えてきます。

反対に、新しい供養先や墓地使用者を確認しないまま工事だけ進めてしまうと、途中で手続きが止まる可能性があります。

特に門中墓や古い個人墓の場合は、「一般的な墓じまいと同じだろう」と判断せず、現在のお墓がある自治体へ早めに確認することが大切です。

沖縄の改葬・墓じまいで迷ったら「まぶいと」へご相談ください

「改葬許可申請の書類が分からない」

「県外に住んでいて何度も沖縄へ行けない」

「門中墓なので、誰に確認したらよいか分からない」

「墓じまいしたいが、ご遺骨の移転先がまだ決まっていない」

「役所手続きから墓の撤去、永代供養までまとめて相談したい」

このような段階でも、すべてを決めてから相談する必要はありません。

まぶいとでは、沖縄の墓じまいについて、改葬許可申請のサポートから墓石の解体・撤去、ご遺骨の取り出し、改葬先の相談まで対応しています。墓じまいは現地調査・見積もりを行ったうえで、150,000円〜の料金目安を案内しています。

改葬で大切なのは、ただお墓をなくすことではありません。

これまで大切に守ってきたご遺骨を、これからどのような形で供養していくのかを家族で整理し、そのために必要な行政手続きと工事を正しい順番で進めることです。

何から確認すればよいか分からない段階から、まぶいとへご相談ください。

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執筆・監修者情報

宮城太一
株式会社SOONESS HOUSING 代表取締役
宅地建物取引士(沖縄 第010186号)
相続診断士(認定番号 20345018)

沖縄県内の不動産・相続・空き家・軍用地などの相談に対応。必要に応じて司法書士・税理士・弁護士等の専門家と連携してサポートしています。

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